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鹿島に住む幸せな人、みんなに幸せを運んでくれる人を紹介します。 |
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第2回 1300年以上前からある日本の漬け物文化を次世代に引き継ぎたい
有限会社 田雑商店 田雑継市郎氏
田雑継市郎氏 プロフィール
明治初期創業の老舗漬け物屋4代目
出身 鹿島市浜町 S25.10.16生
東京農業大学 醸造学科卒
3年間関東で漬け物の製造、販売を学び地元鹿島へ帰郷
趣味 読書と漬け物というプライベートさえも漬け物職人
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製造店舗

長老喜と菜の花の漬け物

この道50年以上!従業員の中村さん

合成保存料・着色を一切使用しない
こだわりの田舎みそつけ |
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漬け物屋に生まれた宿命
継ぐ事に対してどう思っていた?
小学生の頃に『自分の将来はどうなっているか』という題材で作文を書いた事を今でも覚えている。長男だった事もあり、先々、自分が継がなければいけないだろうという想いと反面、継がなくていいのならば継ぎたくない気持ちもあった。矛盾しているかもしれないが、やはり継がなければいけないという方が大きかった。漬け物屋に生まれた自分の宿命なのだ、と。
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厳しいけれども面白い
関東から地元へ帰るきっかけは? 25歳の時、父親が当時働いていた会社へ自分にではなく直接社長に『戻って来て欲しい』と告げた事で、社長から『地元へ帰りなさい』と言われた。自分としてはまだ関東へ居たかったが帰る事になる。昔は長男が家業を継ぐのが当り前であり、その事で父親と話す事はなかった。
今思えば、休みでも地元へ帰る事も少なく、父親は自分が関東にこのまま居ると家業を継がないのではないかという不安を抱いていたのかもしれない。
帰ってみて経営は厳しくはなかったが、これからが厳しくなりそうだと思った。その後10年間は今でも付き合いのある佐賀玉屋で販売をメインとして働く。
70年代に入ると日本でもファーストフード店ができ、日本人の嗜好が変わり始めていて、漬け物自体を食べなくなってきていた。それまでは寿しのネタにも奈良漬けがのっているのが当たり前だったが、時代の流れで漬け物の勢いがなかった。
鹿島に戻って10年の間に従業員は25名から10名へ減り、世の中では漬け物はさっぱりした浅漬け、白菜漬けが売れるようになっていた。だからと言って、浅漬けなど売れる商品を作るのではなく、自分の店は少量多品種という方向性にした。
体の弱かった父に代わり、祖父と伯父に製造を教わりながら漬け物を作った。商売に対ししても何か問題が出て来る。それをどう解決するのか。解決までの過程が好きだから、厳しいくらいが丁度いい。
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ある人との出逢い
40歳頃、友人に飲みに誘われた先で第5世代コンピュータを開発した情報工学者の故・淵一博氏(嬉野市塩田町出身)と出逢う。その時に、漬け物作りもコンピュータで数値化出来るのか尋ねた所、それは当時のNASAでも不可能だと言われた。そんなに漬け物を作る事は複雑なものなのかと、そこで改めて面白いと感じた。そして、やり甲斐がある仕事だと思った。
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漬け物屋は漬けて なんぼ。
これからは? 生きている間に何でも漬けてみたい!挑戦をしたい!!100%は出来ないかもしれないが、世の中には色々な素材がある。それらを色々なもので漬けてみたい。
晴れの日、雨の日。その日の気温や湿度などによって採れた野菜の状態も全く違う。その野菜と対話をしながら漬け方を変える。自分の納得する素材が手に入らなければ漬けたくない。納得する素材で漬けても自分が気に入らなければお客様の口には入れたくない。そのためには捨てる勇気もいる。
田雑さんにとって 漬け物作りとは?
生き甲斐だ。 1番良い素材がそりゃあ良い。しかし、良い素材でおいしく漬かるのは当り前。素材を選ぶというよりは、どんな素材でもおいしく漬けてやろうという気持ちでいる。自分にとって漬け物とは、捨てられそうな素材もどうにかして商品化する事だと思ってやっている。そこには昔、農家の方が市場には出せない野菜を漬け物にして使ってもらえないかと頼まれ漬けていた、食べ物を無駄にしない精神もある。
商品の中で一番人気がある生姜の漬け物は生姜から手作り。近年、国産の生姜が足りなくなった事から小学生時代の同級生数人と近くの畑を借りて作り始めた。聞けば、生姜作りは野菜の中で最も難しいそうだ。
職人の目指す これが漬け物。
どんな漬け物が出来た時そう思える?
余分なものは入れず適度な乳酸発酵をし、いい塩梅でその素材のもつ良さを活かせたシンプルだが奥深い味である事。
日本の漬け物がもつ、わびさびの風味と健康を手助けする効用を伝えていきたい。また、おいしい日本の伝統ある漬け物を食べて幸せに、そして健康になって欲しい。
2010年3月
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